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2012年 02月 07日

FURBO(フルボ)

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日曜日の朝起きたら家の庭が一面雪で覆われていました。
昨年も確か2月のこのぐらいの時期に私達の住むエメラルド海岸にも雪が降ったのですが、年に一度だけ粉砂糖でほんのりと
覆われたようなわずかな雪ですが、それでも生活に支障を来たす雪といえども海辺の生活をしながら少しだけ雪景色を楽しむことが出来ました。
テレビニュースではイタリア北部の積雪の様子が毎年よく報道されますが、それが今年は実家のあるローマもこの雪のせいで
都心の交通網が遮断されてたいへんなことになっていました。またローマ郊外に住む友達の地域にも大雪が降ったらしく、まるで今年は北極のような寒さだと電話で話していました。
同じサルデーニャでも内陸部で標高が高い地域等では凍て付く道路に降り積もる雪のせいで雪かきをしている人々の姿が毎年テレビの画面に映し出されるほどです。
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普段は割と恵まれた気候である私達の住むサルデーニャ北東の海岸線地域でも今年のここ数日間の寒さは本当に身に応える程で、普段太陽の日差しを浴びながら芝生の上で過ごすのが好きな我が愛犬もこの数日間は寒空の下よりもやはり暖炉の前の
特等席をしっかり陣取って全く動こうとしない有様。
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暖炉に薪をくべて火を熾し、火が小さくなれば、また薪をくべてと結構手間がかかり、燃え残った木灰の後始末や効率の良い
暖房効果やまたは環境や相対的コストのことを考えて、2,3年前からペレットストーブがここサルデーニャでも主流になりつつあるけれど、私は暖炉のこの手間のかかる一連の作業と直に薪の炎を見入りながら、暖炉の前で過ごす時間がやっぱりこの上なく好きで、そして暖炉を前にして薪の世話をしながらの会話は人との距離をより近づけ、よりリラックスさせるように思います。
日曜日クラウディアがロンドンでの休暇から戻ってきてすぐに我が家に立ち寄ってくれました。お互いに遅ればせながらの新年の挨拶を交わした後は、暖炉の前で大きなマグカップを片手にそれぞれが燃え立きる薪の炎を見つめながらお互いの近況等を語り合いました。



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クラウディアはポルトチェルボでいわゆる中堅クラスの不動産屋で6年ほどキャリアを積んでいましたが、何年経っても給料面での改善が見られないので、別の不動産を営んでいるオーナーから共同経営者にならないかとの誘いを受けて、思い切って6年間お世話になった事務所を後にして、2010年から共同経営者として活躍していました。それが2011年のシーズンを最後にして、わずか2年足らずで共同経営者との折り合いが合わないことが理由で、今年の2012年からはクラウディアはフリーで働くことに決めました。

実際、6年間お世話になった古巣の事務所を離れる時も顧客リストを写し持っていったんじゃないかと激しく疑いを持ちかけられたり、新しい共同経営者とも運営方針の違いばかりか相手側から訴訟を起こされるまでになったりととにかくポルトチェルボにおいての不動産の業界は市場が小さいだけに競い合いも激しく、いつも顧客を取った取られたの話は尽きません。
というのもポルトチェルボで1件の豪華なヴィラを売買するだけでどれだけの手数料が入ってくるのか想像するだけでなぜここまで彼らが血眼になって顧客獲得に必死になる様子が自ずと理解できます。
たとえば600万ユーロのヴィラの売買が成立した場合、売り手から3%、買い手から3%で計6%の手数料が通常支払われるのですから、不動産業は俗に割が合う商売と言われ、ポルトチェルボのこの小さな市場に現在80件ほどの不動産会社が存在しているのですが、こうして鎬を削るほどの激戦区であることはもはや誰もが知る事です。
またヴィラの売買のみに限らず、ヴィラの賃貸もエメラルド海岸では不動産会社やヴィラのオーナーにとっても割りの良い収入源になっています。最もハイソなエリア、ロマツィーノやチェルビアの豪華ヴィラの賃貸ですと、5寝室、リビング、キッチン、プール付きで2ヶ月滞在で50万ユーロぐらいが今までの相場になっていますが、今年はこの不況で今のところのリクエストは25万ユーロぐらいの通常の相場の半額の予算で探しているクライアントが多いとクラウディアは言います。でもこのような超富裕層のリクエストは別にして実際には滞在期間は2週間ぐらいで6万ユーロぐらいの予算の要望が多く、今年はエメラルド海岸も厳しい時代に突入していることは確かなようです。

ポルトチェルボでビジネスを成功させるのは本当にかなり難しくて、だいたいは大手の資本力やブランド力、歴代の会社や老舗のお店が幅を利かせる中、新規で参入するにはある程度の資本力と画期的なアイデアとさらには機敏さとずる賢さが要求されます。今年に入ってから賃貸料が重く圧し掛かって店やオフィスを閉めざる得なくなった知り合いたちも結構いて、この時期にポルトチェルボの広場にあるブティック街を通るとテナントのメンテナンスで退去するブランド、参入するブランド等の状況もよくわかるほどです。
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私達の友達でポルトチェルボのマリーナの近くに建築家Michele Busiri Vici が設計したコンドのエレガントなごく小さなアパートメント(2寝室、キッチン、リビング)を所有している例を挙げると、この手の小さい物件だと一昔前までだったら65万ユーロぐらいで普通に取引が交わされていましたが、今はこの不況下を目論んでだいたいは45万ユーロ前後での割の良い取引を探している人がこのところ多いように思います。
クライアントは常に1件の不動産会社だけでなく、手当たり次第にいろいろな不動産会社に当たるので、結局は小さく限られた市場にクライアントの獲得を求めて多数のエージェントが乗り出すわけですから、どのエリアにどういう間取りのヴィラがあるのかの正確な把握と、日頃からヴィラのオーナーとの面識や交流がたくさんある人物ほど有利に動きますが、それに加えて強引さとずる賢さがこの業界はさらに顧客獲得へと導いているようです。

クラウディアは今年1年頑張って、良い兆しが見られなければロンドンに移り住む計画もあるようです。
クラウディアはいつも時間厳守、何事にも勤勉で見え透いたお世辞なども苦手なタイプで、誠実に仕事をこなして来てクラウディアに信用を置くクライアントがたくさんいることを私達はよく知っています。
でもクラウディアは「私には強引さとずる賢さが欠けている。」といいます。

私もいったいいつになったらこのイタリア人のずる賢さ・狡猾さとやらに馴染める日が来るのだろうと思うことがよくあります。

イタリアでは抜け目ない・ずる賢さ・狡猾さのことをFURBO(フルボと表現しますが、良い意味でも悪い意味合いでもよく使用されます。
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月曜日の今日も窓越しには雪がまだ吹雪いています。
今年2012年の商戦はどうやらもうすでに始まったようです。


To know him is to love him - The Teddy Bears




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by portocervo1962 | 2012-02-07 05:20 | A proposito di me


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