PORTO CERVO の人々

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2011年 11月 18日

豊かな時間

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Calangianus(カランジャヌス)のコルク樫の森林

夏のポルトチェルボでは仕事でもプライベートでも本当に毎年いろんな人々と知り合う。
でもたいていは夏の数ヶ月を豪華なプライベートヨットやヴィラで過ごして、都会に帰って行く人々がほとんど。そして私達が1年の生活のベースをポルトチェルボに置いていると言うと、ほとんどの人が
「ポルトチェルボの夏はエキサイティングで最高だけれど、冬なんて本当に退屈でしょう」と決ってこの言葉が返ってくる。
確かに都会の生活が長かった私には、当初こちらの生活になかなか馴染めなかったのが本音のところだけれど、今では幾らかの気心の知れた友達も出来て、文化的娯楽施設等もほとんどないこういった単調な日々の生活の中でも自分なりに小さな喜びを見出すことが出来るようになって、おそらく昔の私からは想像できないだろうけれど今はこの生活のスタイルが気に入っている。

冬のポルトチェルボはバールと薬局と不動産屋等がいくらか営業しているぐらいで後は閑散としたようなもので、冬になるとポルトチェルボから少し離れたアルザケーナやエメラルド海岸の玄関口でもあるオルビア空港のあるオルビアの町まで行く機会が必然的に多くなる。
でも冬の時期と言えどもロールス・ロイスがエメラルド海岸の海岸線を普通に走っているのもこれまた日常のポルトチェルボで、
世の中が不景気な時期ほど富豪たちは取引に奔走する。

冬のポルトチェルボは虚飾をまとった夏の華やかさとは打って変わって、いたって普通である。サルデーニャのガルーラ地方の地元住民の人たちとの触れ合いがより多くなり、またガルーラ地方の冬の自然の美しさと恵みをゆったりと満喫できる時期でもある。
こちらでは自給自足の生活を趣味や娯楽の域でのんびり楽しみながら実践している人が多くて、それは地元の人だけに限らず、都会から毎週末サルデーニャ訪れて庭弄りや土弄りをしてリラックスしている人もかなり多い。
こんなに世知辛い世の中だから、現実の生活を放棄することはできないけれど、せめて自然と触れ合いながら自分の中で折り合いを付けてバランスを保って都会でのストレスなどを解消していると友人達からもよく聞く。
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先日の雨がたくさん降った週の週末にコルク樫の生産で有名なCalangianus(カランジャヌス)まで出かけてポルチーニ茸狩りに行った。
サルデーニャに住み始めてから、冬になると毎年出かける恒例のポルチーニ茸狩りである。
大親友のカーラ・ディ・ヴォルペのヴィラに住むジョルジャと一緒に出かけて先週末はとてもリラックスした時間を過ごす事が出来た。



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ポルトチェルボから車で30km程でCalangianus(カランジャヌス)に着く。
途中、道路の脇にモミの木が植えられているのを見つけた。
こちらではクリスマスには本物のモミの木で飾り付けをして、クリスマス・シーズンの終わりを告げる1月6日のベファーナの日(救世主の御公現の祝日)が過ぎると家の庭先に植え直して、また次のクリスマス・シーズンの到来を待つのである。
こちらに来た当初は、こういう自然的な行いが私にとってはとても新鮮に映って感激した事を覚えている。
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鬱蒼としたコルク樫の森林の中に入るとマイナスイオン効果なのか何ともしたゆったりとした時間が流れ出す。
すでにコルク樫の樹皮を採取した跡が見受けられ、エリアによって番号がふられている。
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すぐさま私達の目に留まったのがコルク樫の木の脇に生えていたPungitopo(プンジトーポ)(日本語名はナギイカダ。ユリ科の常緑小低木)。Pungitopo(プンジトーポ)はクリスマス・シーズンに入るとよくクリスマスの装飾として使用されて、私もテープルのセッティングやあらゆるデコレーションとして毎年利用している冬の大切なアイテム。
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ポルチーニ茸を探しに行くジョルジャ。

森林にはいろいろなタイプのキノコが生い茂っているけれど、私達はキノコには詳しくないので、いつも鑑賞するだけ。
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私達はポルチーニ茸だけは見分ける自信があるので、いつもポルチーニ茸だけを摘み取って終わり。
サルデーニャのポルチーニ茸って香りがすごく豊かで、遠くから小型トラックでポルチーニ茸狩りに来る人やレストランのシェフたちも毎年ここに足を運んでいる。
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ポルチーニ茸っていろんな茂みに隠れているのでついつい見落としてしまいがちだけれど、慣れてくるとなんとなくポルチーニ茸に突き当たるようになってくる。
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キノコ狩りって通常皆、結構朝早く出かけて行くので、ジョルジャと私はポルトチェルボを出発した時間が結構遅かったので、あまり期待していなかったけれど、それでも持参した手編みのカゴに一杯になるほどポルチーニ茸を摘み取る事が出来た。

でもポルチーニ茸を採る本来の目的の前に、こういう自然が豊かな場所でとりとめない会話をしながら森の中を散策しているだけでとても楽しくて、時間があっという間に過ぎて行く。
時にはポルチーニ茸を夢中になって探している瞬間、ふと子供の頃の無邪気な感覚が蘇りそういう自分に笑えたりもしてくる。
そしてこういう時間がとても尊いといつも感じる。

私とジョルジャは普段からよく一緒に散歩に頻繁に出かける。
たいていは海辺や山中に自生している植物の名前やどういう特性があるとかをお互いに教え合ったり、お互いの家族の事、仕事のこと、恋愛や美容の事など本当にいろいろなことを本音で語り合う。
私達は世代もほぼ同じで、物事に対しての捉え方、考え方もよく似ていて、本当に私達は気が合うのだろうと思う。
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田舎生活って、案外自分次第でいくらでも娯楽なんて見つけられるものだと今では思っている。




While My Guitar Gently Weeps



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by portocervo1962 | 2011-11-18 16:43 | Gallura


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