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PORTO CERVO の人々

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2010年 05月 29日

ルイヴィトン・トロフィーin Maddalena


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1962年に設立されたエメラルド海岸協同組合の創始者であるアガ・ハーン4世やイタリアのミネラルウォーター サン・ペレグリーノの元オーナーのメンタスティー一族等、大型スクーナー船で遠洋航海しながら世界のたくさんの海を見てきた彼等たちにとってこのサルデーニャ島の北に位置するガルーラ地方のリビエラといわれるこの特筆すべく美しくゴージャスな入江を見つけ出すことは、しごく当然のことだったのだろう。
そして彼等は航海・ヨットレースを愛する者としてこの地域がヨットレースをするのに適した場所であることだと判断するのにはそれほど時間はかからなかったのだろう。
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現在5月22日(土)~6月6日(日)までサルデーニャ州オルビア・テンピオ県マッダレーナ島でルイヴィトン・トロフィーが開催されている。
マッダレーナ島はマッダレーナ諸島のひとつでMaddalena(マッダレーナ),Caprera(カプレーラ),S.Stefano(サント・ステーファノ),Spargi(スパルジ),Budelli(ブデッリ),S.Maria(サンタ・マリーア),Razzoli(ラツォーリ)の7つの島とその他いくらかの小さな島から成り立っている。
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なかでもブデッリ、サンタ・マリーア、ラツォーリの一帯をazzurro "manto della Madonna"と昔から地元の人々からこう表現されている。それはキリスト教絵画の聖母マリアの青色のマントのように濃くとても深い青色をしていることからマドンナブルーと形容されている。
映画「ライフ・イズ・ビューティフル」で知られるRoberto Benigni(ロベルト・ベニーニ)ももうかれこれ20年以上も前からサンタ・マリーア島にバカンスに来ていて最初は古いSTAZZOを購入し、その後すぐ近くのお屋敷までも購入し増改築後には広大な庭園に10以上のゲストルームを備える大別荘に様変わりしサンタ・マリーア島の海辺近くに楽園を実現させた彼もまたガルーラのリビエラに恋してしまった一人なのだろう。

長年アメリカスカップを後援してきたルイヴィトンが新たに企画したルイヴィトン・パシフィック・シリーズが発展して2009年3月からスタートしたルイヴィトン・トロフィーはWSTA(World Sailing Team Association)が共催する新しいマッチレース・サーキット。
フランスのニース、ニュージランドのオークランドに続いてマッダレーナ島では会場地となったのが2009年G8サミットの開催予定地とされていたがイタリア中部地震の被災地ラクイラに急遽開催地の変更が行われたため今回建設後初めて催されたイベントとなった。
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旧海軍工廠と旧海軍病院跡地に建設された5星ホテル、高級レジデンスなどを構える港に面した複合商業施設。
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設計はStefano Boeri(ステファノ・ボエリ)ミラノ出身の建築家・都市計画家。またミラノ工科大学の教授でもある。Stefano Boeriは2015年のミラノ国際博覧会のマスタープランも手掛けている。彼の母親はイタリアの有名女性建築家でありイタリアンデザイナーでもあるCino Boeri(チノ・ボエリ)。イタリアのモダンファニチャー アルフレックス社のソファー"STRIPS1979"で賞を取ったことでも話題になった人。
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今回の出場チーム 総8カ国の参加。
BMW ORACLE RACING(BMWオラクルレーシング)(アメリカ
ALEPH SAILING TEAM(アレフ・セーリングチーム)(フランス
ALL4ONE(オールフォーワン)(フランス/ドイツ
ARTEMIS(アルテミス)(スウェーデン
TEAM ORIGIN(チームオリジン)(イギリス
AZZURRA(アッズーラ)(イタリア
EMIRATES TEAM NEW ZEALAND (エミレーツチーム ニュージランド)(ニュージランド
LUNA ROSSA (ルナロッサ)(イタリア
MASCALZONE LATINO AUDI TEAM (マスカルツォーネ・ラティーノ・アウディ・チーム)(イタリア
SYNERGY RUSSIAN SAILING TEAM(シナジー・ロシアン・セーリングチーム)(ロシア
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レガッタが行われていたのはちょうどBaja Sardiniaの付近で行われていたので日曜日にポルトチェルボからBARCA(船)を出して見に行って来ました。
ヨットはセール(帆)によって風の力を推進力に変えて走ります。
海面に吹く風を自分の中で分析して同じ風をいかに効率よく使って相手より早くゴールできるかを競うもの。
ヨットレースには風を読み予測する判断力、強風でもヨットを乗りこなす筋力・持久力・瞬発力・バランス感覚が問われ、戦略を考える知力、ヨットを走らせるバランス感覚、チームワークは必要不可欠。
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50ノット(時速約93km)のスピードに達するハイテクヨットを使用するマッチレースに乗り組むクルーの数は1艇につき最大17人。クルーの合計体重は1570kg以下に制限されているのでオーバーしている場合はクルー全員でダイエットを強いられる。
またヨットの操作や指揮に携わらない18番目のクルーとしてスポンサー関係、有名人、VIPゲストを乗せる事も認められている。
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ルナロッサとマスカルツォーネ・ラティーノ・アウディ
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アレフ・レーシングチーム
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ALL4ONEとAZZURRA    スピンネーカー(追い風の時に使う薄く軽い生地で出来た3枚目のセール)を上げての帆走はいつも華やか。
注目されているところでは2010年2月14日スペインのバレンシアで行われた第33回アメリカスカップでカップ保持者のスイスのアリンギを破り見事18年ぶりにアメリカにカップを取り戻したBMWオラクルレーシング。スポンサーはシリコンバレーの大富豪ラリー・エルソン。データーベースソフトを手掛ける大手ソフトウェア企業のオラクルコーポレーションのCEO。またJames Spithill(ジェームス・スピットヒル)若干31歳のスキッパー(艇長)兼ヘルムスマン(操舵手)を務める、アメリカスカップで史上最年少のスキッパーとなった等何かと話題に事欠かないチーム。
そして見所としては、LVパシフィックシリーズ09オークランド、LVトロフィー09ニース、LVトロフィー10オークランドとすべて優勝を手にしている覇者のエミレーツチームだがタクティシャン(艇上で戦術指令担当で艇の帆走針路を決める人)として活躍していたTerry Hutchinson(テリー・ハッチンソン)が契約条件に折り合いがつかず離脱してアルテミスのヘルムスマンに就き、テリー・ハッチンソンが抜けたエミレーツチームのタクティシャンにはRay Davies(レイ・デイヴィス)が就き、スキッパー兼ヘルムスマンを務めるDean Barker(ディーン・バーカー)を中心にレースを繰り広げているエミレーツチームとアルテミスが現在上位を争っているのがたいへんおもしろいところ。

尚レガッタの様子をバーチャル・アイでもご覧いただけたりレース結果もすべて確認できるこちらのサイト。
興味のある方は是非覗いてみてください。すてきな写真もたくさんあります。
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Louis Vuitton Trophy WSTAサイトより

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Louis Vuitton Trophy WSTAサイトより

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Louis Vuitton Trophy WSTAサイトより       

尚ヨットクラブ コスタズメラルダもたくさんのレガッタが行われます。
興味のある方はレガッタのスケジュールをご覧いただけるのでこちらも合せてご覧ください。



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by portocervo1962 | 2010-05-29 02:52 | Gallura


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