2010年 03月 15日
私の義母は現在77歳であるがとても元気で若々しい女性である。 彼女はローマ出身でローマに住んでいるがサルデーニャのことガルーラ地方のことをよく知る人で、彼女がこの土地に最初に訪れたのが1962年。そうエメラルド海岸の開発事業が始まった年である。 彼女は昔から山登り、トレッキングなどとにかく歩く事が好きで時間を見つけては知らない山道も平気で散策に出かけてしまうような活動的で冒険好きで、またとても自然体の人である。 私がサルデーニャに来てからは、そんな彼女から「私のお気に入りの散歩道なの、でもあまり知られていない秘密の場所なのよ。」と聞かされて今まで彼女とどれだけたくさんの山道を歩いてきただろう。 そして彼女は私と歩きながらあらゆる木々や植物、草花の名前を私にすべて説明してくれるのである。 また、そんな彼女に育てられた息子である、私の夫、イタリア人建築家も本当に感心するぐらいみごとに植物の名前を言い当てるのである。 実は、その頃アトピー性皮膚炎の症状に悩まされていて、ステロイド剤を常用していたのだが、こちらに来て1年過ぎた頃にはすっかり完治してしまったのである。 あんなにも苦しめられていた激しい痒みと痛みから解放されたのである。環境のお陰もあるだろうが、やはりこういうことは精神的なことが多分に左右されるのだろうと思う。 最近は、義母やイタリア人建築家のお陰で植物をゆったりと鑑賞しながら歩く楽しみとともに、こういうゆったりとした時間が過ごせる事にすごく幸せを感じるのである。 ところでサルデーニャに生息する植物相で最も知られたものでは、gineproジネープロ(セイヨウビャクシン)、corbezzoloコルベッツォロ(セイヨウヤマモモ)、mirtoミルト(ギンバイカ)、lentiscoレンティスコ(ニュウコウジュ)などが有名だろうか。少しここでどんな効能があるのか紹介したいと思う。 ginepro 8mぐらいほど針葉樹で開花時期はだいたい4月から6月くらいまで。 gineproの果肉には芳香性のエッセンシャルオイルを含有しており、肉料理の風味を添えるのに利用される。 gineproの葉の煎じ薬は食間に飲用され、主に皮膚のヘルペスや湿疹などに効果がある。また外用薬としては切り傷の痛み、リューマチ、関節炎などの痛みを和らげるのに有効。但し、妊娠期間や腎臓の問題がある人は禁忌。 gineproのオイルは皮膚のすべての疾患、疥癬などに使用される。 corbezzolo 5mほどの高さの常緑の潅木。のこぎり状の深緑の葉に鐘楼形の白ピンクの花をつける。 果実は初めに黄色みをおびて、成熟のころには鮮やかな赤色に色づく。いぼ状に見える果肉は食する事ができる。 開花時期は10月から2月くらい。 corbezzoloの薬用効能としては葉の部分を煎じたものは利尿促進や収斂性の化粧水としても代用でき、花の部分は発刊作用を高め、体を温めるのに効果的。また生の果実は下痢を治癒するのに有効。 corbezzoloの樹皮は皮革のタンニンとしても使用される。根の部分は腸の炎症、腹痛を和らげるのに活用される。 またcorbezzoloのハチミツは喉の痛みを和らげたり、気管支炎に有効である。 mirto 常緑の2.5mほどの高さの潅木。とても強い香りを放つ。葉は対生葉序、円形で硬く光っている。 花は白色で雌雄同体・花柄。果実は青みがかかった黒色の球状。 開花時期は4月から初夏ぐらいまで。果実の成熟は秋から冬の始まりの寒くなる前まで。 夏の時期に収穫したミルトの葉を煎じたものは消化を促進し、またミルトの芳香性のおかげで呼吸の疾患の症状を助ける。外用薬としては傷口の殺菌、日焼け後のほてり、乾癬、副鼻腔炎に適応。 果実は食後酒の「ミルト酒」として、それぞれの家庭でさまざまな配合で用意されている。さらにはミルトの枝、花、果実を蒸留して抽出した化粧水は「天使の水」としてよく知られており、肌の強壮、充血を緩和するのに効果があり親しまれている。 lentisco 常緑の5mほどの高さの潅木。とても樹脂が多く芳香性がある。葉はつるつるして硬く奇数羽状。花は小さく、暗褐色、花弁は持っていない。果実は核果、初めは赤みを帯び、しだいに暗褐色と変化する。 開花時期は3月から5月ごろ。 レンティスコはとても重要な効能を持っており、特におでき、にきび、じんましん等皮膚のアレルギー症状に対しての薬効の治療としてとても知られている。 レンティスコの葉を沸騰させ煎じたものは肌を殺菌し、おでき、にきびを予防するのに有効。 根の部分を長く沸騰させたものは疥癬や皮膚の化膿にも効果あり。 戦後の貧しかった時代にはレンティスコの果実から抽出したオイルがオリーブ・オイルの代用として重要な役割を果たしていた。 地中海全域には2,800種類もの薬草が生息しており、そのうちの397種類の薬用植物がサルデーニャ全域に存在しているという。 これらの薬用植物はありきたりのようにサルデーニャのあちこちで目にすることができる。 そして何よりも、春先から夏にかけては強い芳香を放って私たちの嗅覚を楽しませてくれるのである。 この土曜日に天気が良かったのでSpiaggia di Principe(プリンスビーチ)に行ってきました。 ロマツィーノホテルに行く道の2本目の交差点を右に曲がると駐車場があり、車を止めて400mぐらい歩くと辿り着きます。 この時期はビーチにはまだ誰も居ないのでなんだか独り占めしているような気持ちになります。 ああ、早く暖かくならないかなあ。 気に入っていただけたらワン・クリックを。 人気ブログランキングへ にほんブログ村
by portocervo1962
| 2010-03-15 06:24
| Sardegna
|
アバウト
カレンダー
カテゴリ
Introduzione A proposito di me Sardegna Costa Smeralda Gallura Monteacuto Baronie Meilogu Marghine Barbagia di Nuoro Barbagia di Ollolai Barbagia di Seulo Barbagia di Belvì Barbagia L'Ogliastra Nurra Planargia Montiferru Nuraghe Personaggi Sardi 以前の記事
お気に入りブログ
その他のジャンル
ブログパーツ
ファン
記事ランキング
画像一覧
|
ファン申請 |
||