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2011年 06月 06日

Santa Maria 'e Mare 教会

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Fiume Cedrino(チェドリーノ川)とMonte Tuttavista(トゥッタヴィスタ山)

サルデーニャはヌーオロ出身のノーベル文学賞を受賞したGrazia Deledda(1871-1936)が1913年に発表した作品
Canne al vento」(風に吹かれる葦)の舞台となったのはサルデーニャ島の東中央部に蛇の蛇行のように滑らかなの曲線を描きながら横たわる76kmの長さの川Cedrino(チェドリーノ)を挟んだ谷間を中心にGaltelli(ガルテリ)の村にインスピレーションと感銘を受けながら著者であるGrazia Deledda自身も実際にGaltelliの村で生活しながら執筆をして作品を仕上げている。
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Fiume Cedrinoチェドリーノ川は南のBaronia(バロニア)地方のOrosei (オロセイ)、Galtelli(ガルテリ)の谷間に沿って流れ、この辺り一帯はオリーブ畑に、ぶどう畑、柑橘類の畑や牧草地が平野の上に広大な広がりを見せ、背後には石灰岩の山塊が隆々しく聳え立つMonte Tuttavista(トゥッタヴィスタ山)が見下ろす、なんとも風光明媚な景観であると共に中世の時代の城の廃墟跡やヌラーゲの居住区なども見られるなどしてアルカイックな風情をも醸し出している一帯でもある。

そしてOrosei (オロセイ)はMarina di Oroseiの海岸線からも2.5kmの距離に位置していて、いわゆる海面に面した低平地である海岸平野の上に若干支配されている地域であるが、ちょうどOrosei の町の外れは海岸線近くのチェドリーノ川と
Su Petrosuという沼が交差する川岸の高台の上に、実は以前から私が一度機会があったら是非訪れてみたいと思っている
小さなロマネスク様式のそれはかわいい教会があるのである。
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実際にはこの界隈一帯には、この穏やかで長閑な環境が好きでもう何度も足を運んでいるのだけれど、その小さな教会は閉まっていることが多くて、なかなか教会内部を見る機会に今まで恵まれなかった。

c0223843_1714155.jpgオロセイの町の紋章にもなっているチェドリーノ川の上を渡す橋は今やオロセイの
シンボルにもなっているが、実はオロセイの人々にとってはさまざまな深刻な問題を抱えている。

海岸平野ということもあり、過去決まって11,12月の時期に引き起こされた
大洪水による被害により、ここ数年の侵食作用の影響でチェドリーノ川の水路や
河床に破片や屑などの無数の漂流物が蓄積され多額の費用を掛けて掃海作業をする必要性に迫られている。
特に2004年の12月に起こった大洪水はOroseiオロセイからGaltelliガルテリのこの豊かに広がる平野地帯に莫大な損害を与え、橋や堤防が決壊するなど人々にも多大な被害を与えた大惨事を引き起こしたことで知られており、続く2007年の12月にも同様に大洪水による被害はオロセイの住民の人々の心配と不安をさらに増幅させた。
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毎年5月の最終日曜日に開催される宗教的な祭礼行列'' Festa di Santa Maria del Mare '' (サンタ・マリア・デル・マーレの巡礼祭)がオロセイのサン・ジャコモ・マッジョーレ教区教会から聖母子像と十字に架けられた木製のキリスト像が運び出され、オロセイの町中を抜けて、チェドリーノ川の橋の架橋下からは昔ながらの漁師用の帆掛け船を利用して、チェドリーノ川上を緩やかに水を切って渡り、オロセイの町の外れにある入江沿いのオロセイで一番古い教会でもあるSanta Maria 'e Mare 教会まで聖母子像は運び出され、その後のミサではその年の漁業への捕獲の祈願をはじめ、海の安全、人々の安全などさなざまな祈願と縁起が礼拝者全員で祈祷される。

そしてこのお祭りの機会を利用して私はようやく念願のSanta Maria 'e Mare 教会の内部を見ることができたのである。



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Santa Maria 'e Mare 教会

本当に外観は片田舎によくある何てことの無いごく普通の小さな教会の佇まいだけれど、私はこの手の小さな教会を見つけるたびにいつも自分で勝手にいろいろな想像を張り巡らせてしまう(笑い)。
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教会の入り口を抜けるとすぐ右手には小船の上に聖母子像を乗せた彫像が置かれていて、小船にはOROSEIの文字が刻まれていた。
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教会の中庭からはチェドリーノ河川がよく見渡せ、視線をほんの少し先に伸ばせばMarina di Oroseiの海岸線という絶好のロケーションにある。
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Santa Maria 'e Mare 教会は1173年にピサの貿易商人たちによって建造された教会で、その昔Marina di Oroseiの入り江には港があり、およそ1350年代頃まで帆船を用いて貿易を展開して港が運営されていたことが立証されている。
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教会の内部に入るとたくさんの帆船のミニチュアがすぐさま視界に入ってくる。
ヨーロッパの海辺に近い町や村では古くから難船から生還出来た人々が宿願の叶ったお礼にと奉納船を教会に寄進する習慣が流布しており、それは今でも守り継がれている。
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さまざまな模型奉納船には人々のたくさんの想いが詰まっている。
この日に行われるお祭りのための準備が行われる少し前に訪れて内部は暗かったけれどゆっくりと見て廻ることが出来た。
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壁や小さな棚などに無数に飾られている奉納船を一つ一つ眺めながら、大きいものから小さいものまで願いの叶った喜びと感謝の気持ちをこうして帆船の模型として形に残すことはなんて素敵なんだろうと思う。
正統派の豪華な教会もいいけれど海辺に近いこうした小さな教会にも海に対してのいろいろな思いとともに海へのロマンをも感じて私としてはちょっとした楽しい時間を過ごすことが出来た。
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そして今回初めてFesta di Santa Maria del Mare '' (サンタ・マリア・デル・マーレの巡礼祭)にも実際に目にすることが出来た。


いつも訪問ありがとう。
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by portocervo1962 | 2011-06-06 02:48 | Baronie


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